3. 検出方法

これまで数多くのダニ検出方法が考案されてきましたが、現在実用的に用いられているのは、実体顕微鏡下での解剖検査とDNA解析方法です。

解剖検査には多くの時間と労力が必要ですが、確実にダニを発見できます。

一方、DNA解析では多くのサンプルを処理することが可能ですが、ダニの寄生数が少ない時に検出できない場合がありました。しかし、技術の進歩により、ダニ数が少ない場合でも検出できる技術が開発されてきています。 

<DNA解析>

気管を含むミツバチの体ごとDNAを抽出し、アカリンダニ特異的なプライマーを用いて、DNA断片を増幅します(PCR)。

増幅したDNA断片を電気泳動して、アカリンダニのDNAを確認します。

通常のPCRでは、ミツバチ1匹にダニ4個体程度まで検出できますが、ダニ1個体では検出できないという欠点がありました。しかし、ネステッドPCRや、リアルタイムPCRを行うことで、低い寄生率でも検出が可能になっています。

<解剖検査>

【必要なもの】

・ミツバチ 20-30個体

・ピンセット2本 超精密ピンセットがおすすめ。(例:DUMONTの5/45など)

 少し太いピンセットは、先端を紙やすりなどで削っても良い。

 先端のかみ合わせは、時々紙やすりで調整。

・ルーペか顕微鏡 倍率5倍以上のルーペ。

 20倍以上の倍率があれば楽に気管が確認でき、40倍でダニそのものを確認できる。

 両手が使える双眼実体顕微鏡がベスト。 

【解剖手順】 日本ダニ学会誌.24(1): 9-17.(2015)をさらに詳しく。

1. 冷凍しておいた新鮮なミツバチを解凍します。

70%エタノールに漬けておいたサンプルでも大丈夫。

2. ミツバチの腹部のくびれた部分をピンセットではさんで固定します(矢印)。

これは太いピンセットでOK。

中脚と後脚を一緒にはさむと、腹がちぎれにくく安定します。

3. 頭部と胸部の間、前脚の付け根にピンセットを差し込み、前脚と頭部をまとめて写真右側に引き抜きます。

4. 頭部をとった状態の胸部側。

ここからは顕微鏡下の方がわかりやすいでしょう。

うまく行けばこの状態で気管が確認できます。

さらにカラーと呼ばれるエリマキ状のものを外します。

矢印部分をつまんで引きちぎるように引っ張ります。

5. ピンセットでつまんで引っ張り始めたところ。

6. 途中まで外したところ。気管が見えてきました(矢印)。

 

7. エリマキ状のカラーが外れました。

 

8. 健全な個体の気管は、白~黄色の半透明のきれいな状態(写真右側の気管)。

9. 寄生が進んだ気管は褐変しています。

 

10. さらにひどいものは炭化状態でボロボロになっています。

11. 注意が必要なのは、ダニが侵入して時間がたっていないもの。

一見半透明で健全そうですが、一番端っこの気門に近いところにダニの卵が透けて見えたりします。

気門の近くは隠れているので、ここまでしっかりチェックする必要があります。

*解剖方法について、神奈川県家畜保健衛生所の宮地さんが素晴らしい手順書を作成してくださいましたのでご利用ください。

 

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